京都市美術館
フィラデルフィア美術館展 印象派と20世紀の美術』
7月14日(土)— 9月24日(月・休)
アメリカ合衆国屈指の美術館であるフィラデルフィア美術館の所蔵作品より、19世紀後半から20世紀にかけて活躍したマネ、モネ、セザンヌマティスピカソらの絵画・彫刻作品62点、およびオキーフワイエスアメリカ人画家の絵画作品15点を紹介する。


京都市美術館コレクション展 第2期咲きそめる時』
7月28日(土)— 9月1日(土)
咲き初め、咲き誇る花の描写を通して、近代美術における「花」の表現の意味を考えると同時に、染められた糸や布で構成される、染織作品の技法の様々を紹介する。 金島桂華、黒田重太郎、山鹿清華らの作品を展示。


京都国立近代美術館
『没後10年 麻田 浩展 心の原風景を求めて』
日本画家・麻田辨自を父に、麻田鷹司を兄にもつ麻田浩(1931−1997)は、新制作協会に発表を重ね、絵画による造形詩というべき静謐な心象風景世界を確立しました。当館の「現代美術の動向」展(1965年)にも出品するなど、没後10年の機に、初期からその全生涯の軌跡をはじめて回顧いたします。


『文承根+八木正 1973-83の仕事』


細見美術館
『珠玉の日本美術 細見コレクション リクエスト展07』
会期:7/14(土)〜9/17(月・祝)
平成13年(2001)年からスタートした、夏恒例のリクエスト展。当館所蔵作品への人気投票を行い、その結果をもとに構成する「お気に入り名品展」です。不動の人気を誇る若冲から、昨年度逆転1位となった雪佳、毎年確実に票を集める佛教美術など、細見美術館の優品が一堂に展示されます。琳派はベスト20までに何点ランクイン?今年新たに脚光を浴びるのは・・・?繊細な美意識、大胆な構成力、日本美術が織り成すさまざまな美の造形を、「細見コレクション×リクエスト企画」で存分にご鑑賞ください。

近世から現代までの和洋の美術作品を一日で観まくるという贅沢なことをやってみました。
フィラデルフィア美術館展では、ピサロの作品に再び出会え満足。
ピサロの描く光が大好きで、氏の作品を観るたびに幸せになる。
ミロの『月に吠える犬』もシャレていてステキだった。
小学生のとき以来あこがれていたワイエスの作品を初めて観れたのもちょっと感激。
でも、フィラデルフィア美術館展よりもコレクション展の方が、私には面白かった。
戦前の日本画や近年の染色作品が多数展示されている展覧会。
日本人の美的センスや斬新なアイデアはぜんぜん西欧に負けてません。
とても素晴らしいものばかりです。
ほとんど貸しきり状態の展示室。
作品をほぼ独り占めで鑑賞できるうれしさの反面、鑑賞者の少なさにさびしさも感じました。
フィラデルフィア美術館展のチケットの半券を提示したら300円で観れるんだからもっとたくさんの人に観てほしいな…。
続いて、京都市美術館の真向かいにある京都国立近代美術館へ。
一階では八木正という人の作品展示。
何の変哲も無い角材やちょっと色を塗ったり組み合わせたりした板が白い床に並べられている。
こういうアートを観るといつも“う〜む”と悩んでしまう。
面白いというの半分、芸術って何なんだ〜!!!という心の叫び半分。
道端に落ちていればただの木材だ。
それが美術館の床に並べられると鑑賞の対象になってしまうのだから意味が分からない。
理屈ではアートだと分かるが、日常的感覚からすると“????…”である。
一方で、赤く塗られたキャンバスにただ切り込みを入れただけ(ただ切り込んでいるわけでなく、常人には計り知れないほどの思索が背景にはあるのかもしれないけれど)の作品を素晴らしいと思う自分もいるわけで…。
いろいろとやっかいな問題がありそうであるが、疲れるので続けない。
それよりも、麻田浩の作品の方が衝撃的だった。
こんな画家がつい10年前まで生きていたんです。
自殺しなければ、まだ生きていたかも知れない。
パッと見はダリのようなとてもフラットな画面に、ダリをもっと緻密にもっと暗くしたような作風だが、じっと見つめるととても哀しく切なくいたたまれない気持ちになってしまう作品ばかり。
正直、鑑賞するのはしんどかった。
単にうまくて素晴らしい絵だと思えるものは一つも無く、死の哲学を語る哲学者の書を具現化したような重たさきつさがある。
描くたびに寿命が縮まり、描くたびに死が近づくような絵だ。
彼はおそらく何かと戦っているのだが、今の私にはそれを真正面から受け止め考えるだけの元気が無い。
ただ彼の自殺は単なる自殺ではなく、殉教だったんだろうなとは思う。
とにかく、鑑賞するのには凄まじく疲れる展覧会だった。
今、ラジオを録音したショスタコービッチ交響曲第5番を聴いているが、彼の作品にはショスタコービッチの音楽がとても似合う。
両者が背負っているものには何か共通するところがあるのかもしれないな。
そして、最後は細見美術館へ。
雑誌に載っていたので行く。
ここはとても平和であった。
江戸時代の屏風絵や水墨画に心を癒されました。
若冲の作品が面白かった。


美術館を後にした私は一路、今宮神社へ。
今宮神社の脇にあるあぶりもちを食いに行く。
大学院時代、一度行ったことがあるのだが、食べなかったので今回リベンジ。
3,40分自転車を飛ばし、到着。
午後3時過ぎに走ったので日焼けした。
帽子はかぶっていたけれど顔と腕が赤くなってひりひりする。
もちの味は、鹿児島のジャンボ餅とほぼ同じ。
ジャンボ餅のほうが餅も大きいのでおいしいと思う。


今日の京でのサイクリングのラストは下鴨神社の古本祭り。
今回二度目の参加。
これは、森見登美彦の『夜は短し歩けよ乙女』にも登場する。
夕涼みにはちょうどいい時間で、会場をふらふらとなめる。
加藤周一が書いた文学論と高橋和巳が編集した文学論を買った。


自転車を返したあと、河原町まで鴨川の土手を歩く。
中途、三条の橋の袂で路上ライブをやっていたので休憩がてら地べたに座り込んで観賞。
カケラバンクというアコースティックの二人組みが良かった。
パーカッションがなかなかのテクニシャンで心が躍った。
息もぴったりの二人の歌と演奏は心地好く、京の夜にのんびりとしたいい時間が過ごせました。
こういうのを幸せというんだな、きっと。


帰ってきた梅田でも路上ライブをやっていてここでも観賞。
こっちは6,70年代のアメリカンロックを彷彿とさせるバンドなので、観賞というよりノッたという感じ。
パンチの効いた女性ボーカルとジミヘンを思わせるギターがかっちょいい。
ファンになった。


今日はたくさん遊んだので、満腹であります。
以上