大阪フィルハーモニー交響楽団
第410回定期演奏会
2007年7月5日(木)
18:00開場 19:00開演
ザ・シンフォニーホール
指 揮:下野 竜也
独 奏:伊藤 恵(ピアノ)
曲 目
ブラームス/ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調 作品15
ブルックナー(スクロヴァチェフスキー編)/“アダージョ”(弦楽五重奏曲 ヘ長調 より)
シューマン交響曲 第4番 ニ短調 作品120

今日は平日であったが、仕事がはやく済んだのでシンフォニーホールへタクシーで向かう。
ホールに着いたのが19時であったから途中入場を覚悟したが、何とか開演間際に滑りこめた。

一曲目のピアノコンチェルト、眠かった。
心地好かったからか疲れていたからか、まどろみの中の鑑賞となった。
時折オケの響きにハッとすることがあったくらいで、あまり印象に残っていない。
今度の日曜にオーケストラアンサンブル金沢のコンサートでも同曲を聴くので比べてみようと思う。
演奏がダメだったのか、私がこの曲を好きでないだけなのかはっきりすると思う。

後半の一曲目、ブルックナーのアンサンブル、ブルックナーらしい旋律が随所にみられブルックナーのエッセンスが詰まったような曲である。
下野さんのブル0を聴き戦慄を覚えたことはまだ生々しい記憶として残っているが、今日の演奏はまぁまぁかな。
演奏者がいまいち咀嚼しきれていないようで、切れと繊細さに欠けた。
曲はとても美しいものなのだけれど…。

さて、本日のメインディッシュ、シューマンの4番。
私は、これ目当てで今日のコンサートに詣でたのだ。
冒頭から下野さんの切れのよい指揮と大フィルの息のあった演奏に心が躍った。
これぞ下野竜也の真骨頂、素晴らしい指揮である。
なぜあんなに外さず的確な指揮ができるのか不思議なくらいである。
まったく違和のない、曲の本来あるべき姿をまざまざと現前させるあの構成力はいったいなんであろうか。
凄い。
大フィルも指揮にぴたりと合わせ、要求どおりの演奏をしてみせる実力はさすが。
ただ弦の響きにもっと華があれば、もっと素晴らしいのに。
しかし、一分の隙の無い完璧な演奏であり、明日、誕生日を迎える自分にとって忘れることのできないコンサートであったのは確かである。
今日のような演奏に出会えた私はとても幸せな人間である。