指揮:西本智実
客演コンサートマスター:高木和弘
管弦楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団
会 場:芸術文化センター 大ホール
開 演:15:00
■プログラム
ショスタコーヴィチ:祝典序曲 op.96
プロコフィエフ組曲「キージェ中尉」 op.60
ショスタコーヴィチ交響曲第5番 ニ短調 op.47
■アンコール曲
M.J.ヒル:Happy Birthday to You
マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲

兵庫芸術文化センター管弦楽団の演奏会に初めて行く。西本智実さんの指揮も初めて。兵庫芸術文化センター管弦楽団はできたてのオケでどんなだろうと思い、あまり期待していなかった。しかし、一曲目の『祝典序曲』から鳥肌が立ってしまった。トランペットを筆頭に金管木管セクションのよく響くこと。読響を聴いたとき以上に管楽器がよく鳴り、とても明るい響きに驚いた。特筆はファーストフルートの上手さ。パユ以来、久しぶりにあんな上手いフルートを聴いた。チェロとコントラバスもどっしりとした響き。ネット上での兵庫芸術文化センター管弦楽団の評価はあまり芳しくないものが多い気がしたが、今日聴いた限りではとってもレベルの高いオケだ。西本さんの指揮が上手かったのかもしれないが。
『キージェ中尉』は高校生のときにラジオで聞いていらいとても好きな曲。それを生で聴けて感激。映画のために作曲されただけあって音楽にストーリー性があるし、テナーサックスも活躍するので見ていてもとても楽しかった。実演に触れると想像以上に複雑な曲で指揮者も演奏者もたいへんそうだったが、演奏者のレベルが高いだけあって素晴らしい出来だった。
交響曲第5番』はムラヴィンスキーの指揮した演奏が頭にあり、今日の演奏は少し鋭さが足りないように感じた。でも、繊細な響きを大事にした演奏で優しさ、切なさ、苦悩、希望といったショスタコーヴィチの人間的な側面が垣間見えた気がする。高木和弘さんをはじめ弦がとてもがんばってた。
アンコールでは『Happy Birthday to You』がサプライズ演奏される。今日は西本さんの誕生日だったらしい。観客も一緒に手拍子をしたり、トランペットやトロンボーンがジャムったりクラシックの演奏会らしからぬ演奏で楽しかった。西本さんは知らなかったようでとても恐縮していた。『間奏曲』も弦アンサンブルが見事なこと。美しい演奏だった。
終演後、楽屋口へ行ってみる。いつもの雰囲気とは違い宝塚歌劇のファンによくいそうなお姉さま方がたくさん。西本さんのルックスとかっこよさは女性受けするようだ。サイン会ではなく、握手会になったのでお姉さま方が嬉々として握手する姿を少し眺めただけで帰る。あの女性ばかりのなかに交じるのはやはり躊躇された。