国立国際美術館で開催中の“もの派”の展覧会へ行く。今日は文化の日ということで無料で観覧することができた。1968年から1970年代の日本というカオスが許された時代の貴重な成果。このような企画展示が行われるのはとても楽しい。ドイツのケルンやミュンヘンの現代美術館の展示作品の量と質には圧倒されたが、日本でも現代アートは充実しているのにそれを常設展示している大規模な美術館がないのは寂しい限り。また、鑑賞していて感じたのは係員の多さと鑑賞の束縛。係員の神経質な様子にはヘキヘキするし、作品の周りに仕切りや枠が施されているのは息苦しかった。もの派ってそういうものとは相容れないものなんじゃないのかなって思うのだけれど、管理された空間で芸術として持ち上げられてしまうのはちょっと矛盾を感じる。ドイツは作品と鑑賞者の境界がほとんどなく、鑑賞の自由度が大きかった気がする。展示の仕方にもっとゆとりがあってもいいのにね。タダで見れたのに文句ばかりだけれど、管理されたアートがアートだと思わせてしまう危険を危惧するというのは言い過ぎだろうか。